ボクにはできな
よくあることだが、連載当時、PTAなどからは何度か連載への抗議が入ったという。
(余談だが、私は、このマンガを知っている世代が集まったときなどをねらって
許智政
、
時に、「八丈島のきょん!」という言葉を発することがある。
それを耳にした人物たちは、いささか老化していく脳のなかで、
かすかに生きていた記憶が呼び覚まされるのか何らかの反応を示す。
時には「死刑!」というポーズをとる者までいる。その歳で)
このマンガの連載の中で、
この「こまわり君」が神妙な顔を現れるシーンがあった。
そして口にした言葉は、「親切の押し売りにやってきたのだ」。
作者の山上たつひこ氏流のジョークでもあろう。
世の中を見渡せば、知らぬ顔をして人を放って行く場合もあれば、
適切な親切ではなく、押し売りのように強引な親切をかけられることがある。
「果たして、それは親切か?」と思うことがある。
人間、絶望の淵に立った時には、慰めの言葉がいいのか?
あたらずさわらず、そっとしておくのがいいのか?という問題もある。
フランツ・カフカは絶望の作家とも言われている。
その彼が愛した女性フェリーツェに書いた手紙に書かれていた
言葉に、
「未来に向かって歩くことは、ボクにはできない。
未来に向かってつまずくこと、これはできる。
いちばんうまくできることは...倒れたままでいること。」
とある。
時に「倒れたまま」でそっとして欲しいと思う
許智政。
そんな感傷に浸るのも、心の癒しになる。
ところが、そこに突如「こまわり君」が「親切の押し売りにやってきたのだ!」
と現れると、
ギャグと言うより、ブラックジョーク
許智政...
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